子どもの頻尿について

「加齢とともに頻尿になる人が多くなる」とお話してきましたが、体がまだ未成熟である子どもの場合も、頻尿の症状が見られることがあります。これはいったいなぜなのでしょうか。

子どもの排尿機能について

生まれたばかりの赤ちゃんは、だれに指導されることもなく、便を出し、尿を出します。ただ、色々な器官が小さく未成熟で、排尿に関わる器官も例外ではありません。そのためこの期間は、少ない量の尿を、頻繁に出す(1日に約15~20回程度)という状況になります。

しかし成長と共に排尿器官も発達し、徐々に1回の尿量が増えて、1日の回数が減っていきます。大人と同じくらいの回数になるのは、個人の成長によっても違いますが、2~3歳頃からと言われています。
この年齢くらいからオムツトレーニングをし始める人もいますが、この年齢の子どもの場合は「尿意があった→抑えきれずにすぐに出す」の工程が大人より短いため、トイレに行くのが間に合わず、すぐにもらしてしまうことも多いと言われています。なぜなら、これはまったくの「反射」によるもので、尿意を感じるとすぐ反射的に排尿してしまうからです。ある程度我慢できるようになり、おもらしがなくなるのは、5歳くらいになってからだと言われています。

原因は?

赤ちゃん~幼児期に排尿回数が多いのは、排尿器官が未成熟であるためで、ごく自然のことですが、病気などが原因で頻尿となってしまう場合もあります。

病気が原因

尿路感染症、過活動膀胱、尿崩症、糖尿病、膀胱がんなど、大人の場合と同じような原因が挙げられます。その中でも特に多く見られるのが、膀胱炎による頻尿です。

膀胱の中で大腸菌などが繁殖し、それによって膀胱の粘膜が炎症を起こします。炎症を起こした粘膜は健康な粘膜に比べて非常に敏感であるため、わずかの尿であっても、尿意がこみあげるのです。

子どもが膀胱炎になってしまう原因はいくつかあります。なかでも気を付けたいのが、性器周りに便がついている、というもの。女児の場合に起こりやすいものであり、オムツを換えるときには注意が必要です。オムツトレーニングが終わった後の子どもであっても、まだ「拭く」という作業がうまくできず、同様の状態になってしまうこともあります。

また、小学校などにあがって、自由にトイレに行けなくなったり、友達との遊びに一生懸命になってトイレに行くタイミングを逃したりして、おしっこを我慢することによっても膀胱炎は起こります。

神経性(心因性)頻尿

「子どももストレスによって頻尿になる」というと、多くの人が驚くのではないでしょうか。
しかし子どもは大人以上にストレス耐性が備わっておらず、大人にとっては何でもないことでも体に変調をきたしてしまうこともあります。入学園や入園式、お遊戯会、引っ越しや下の子の誕生など、本来ならば喜ばしい場面であっても、「生活環境の変化」によってストレスを感じ、頻尿を起こす子どもも多いので注意が必要です。
また、真面目な性格の子どもだと、「漏らしてはいけない」と強く意識するあまり、トイレに何度も立ち、頻尿になってしまうこともあります。

どんな治療をするの?

では、このような「子どもの頻尿」にはどのようにして対処していけばよいのでしょうか。
基本となるのは、やはり「小児科への受診」でしょう。尿検査の結果、膀胱炎と診断されれば、投薬治療が開始されます。

神経性(心因性)頻尿の場合は、子どものストレスを取り除くなどの対処をしていくことが求められます。これについては、以下でもう少し詳しくご説明しましょう。

子どもの神経性(心因性)頻尿の対策

子どもの神経性(心因性)頻尿の場合、大人が上手に関わっていくことが大切です。

まず、叱らないこと、安心させることが重要です。
子どもは大人の顔色を、大人が思う以上にずっと鋭くうかがいます。おもらしをすることで大人が怒ると、それが「ストレス源」となり、より頻尿になってしまうことがあります。
漏らしてしまったとしても、それを怒ることはせず、優しく受け止めてあげましょう。
他にストレスとなる原因があれば、それを取り除くのも大切です。

また、排尿日誌をつけておけば、医師にかかるときに説明がしやすくなります。管理の意味でもつけておくとよいでしょう。現在はそのテンプレートをダウンロードできるページなども用意されていますから、活用したいものです。

神経性(心因性)頻尿は、親としてとても心配でしょう。しかし、子どもの場合はあくまで一時的なものであることが多く、時間の経過とともにおさまっていきます。親のストレスは子どものストレスにもなりますので、おおらかな気持ちで見守ることが重要です。

 
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